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汽車旅12ヶ月 宮脇俊三 新潮文庫
日本には四季がある。1年の中で旅行に人気のある月、そうでない月。
1年12ヶ月の中の1ヶ月づつその月の長所短所なども著者の長年の経験によって書かれている。
旅行の際には参考にして欲しい一冊である。

本書にはその月に実際旅行に出た話をもとに書かれている。
これまでの著書「時刻表2万キロ」や「最長片道切符の旅」の時のはなしの補足もある。
あの時の車内ではこんな会話があったのか、とそれらを読んだ人にはもう一度読み返したくなるような挿話がある。
あんまり著者の本には他人のことは書かれていない場合が多いが、本書には印象深い人々が出てくる。
9月の章に出てくる不満のたまった車掌、12月の章にでてくる謎の老人たちなどがそうだ。
旅に出れば実際そんな人とも会うかもしれないのだな、と思う。
旅とは実は誰か分からない誰かに出会いにいっているのかもしれない。
そう思わされた。
歴史好きとして気になる記述のあるのが8月で、以下のような逸話がでてくる。

こんなところに線路を敷設したのは盛岡出身の宰相原敬の力による。
原敬ほどの人でも「我田引鉄」をやったらしい。帝国議会で山田線の建設が提案されたとき、野党の議員が、「人も住まない所に鉄道を敷いて、いったい総理は山猿でも乗せる気ですか」
と質問した。
しかし原敬は「鉄道法によりますと猿は乗せないことになっております」
と素気なく答えたという。

平民宰相が歴史の問題でキーワードになるといったくらいのイメージだったが、こんなやりとりもできるような人物だったのか。
このつかみ所のなさそうな答弁はどこかの国の宰相にも似ているような気もする。


鉄道ファンとしては有難い代弁も8月に載っている。
「移動のための手段である限り交通機関は「文明」でしかない。それに対し、手段を目的に置き換えることによって汽車や船が「文化」へと昇華してくる、と私は密かに自負しているのだが」
その後で「こういう議論は言い出したとたんに恥ずかしくなる」
と自らを卑下するものの、こういう、ものが好きになる理由はいきなり聞かれてもむずかしい。
今は鉄道ファンは公然と認められた感もあるが、歴史的に見て鉄道は富国のための手段であり、趣味の対象になるとは予想しなかっただろう。
いまや車はもちろん飛行機、船、自転車なども趣味の範疇で語れる時代である。
もっとも原始的手段であるはずの歩行でさえもウォーキングという趣味に昇華される時代だ。
趣味は?と聞かれて「歩きです」と答えるのは健康的なイメージをもたれそうだからいいかもしれない。
逆に「鉄道です」などとは真っ直ぐは言えないものだ。
それを恥じつつも真っ向から理由を考え出そうとしてくれたのが喜ばしい。
「用がないからといって汽車に乗ってはならなぬという理由はないし・・・・」
という車掌に対する一文も、わが意を代弁してくれている。もっとも車掌に「なんでも結構です。とにかくお客さんですから」
と切り返されてしまうが。

ともかく、日本の12ヶ月に触れながら、汽車好きの心情もきっちり書き込まれた魅力的な本だと思う。


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